🍙おにぎり
街中にふと落ちている忘れられたモノ達に思いをはせる。
そこにはどんなストーリーがあり、
そしてどのような別れがあったのだろうか…。
忘れられたモノ達の物語が今始まる。
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私が横断歩道を渡ろうとするとふと目に留まった🍙おにぎり。
誰かが握ったであろうフォルムではあるが、なぜ横断歩道の【押ボタンの上】に置いてあるのだろうか。
コンビニで買った…にしては手づくり感が強い。
近くの小学生か中学生が給食の時間に食べきれず、残すと怒られてしまうのでココに置いて行ってしまったのだろうか。そうだとすれば今頃、母親に「全部食べれてえらいね♡」と褒められ少々の罪悪感と、大きな安堵を感じている頃だろう。
中身が鮭かおかかか、それともシンプルな塩むすびなのかは知る由もないが、誰かが誰かのために丹精込めて握ったことに間違いはない。
そんな思いやりの詰まった🍙おにぎりが、この先誰の元にも届けられることなくいずれ廃棄されてしまうことに一抹の寂しさを感じつつ。
今日も家路に着くのであった。
さらば、🍙おにぎり。
また会う日までさようなら。